インフルエンザについて


概要

  • インフルエンザウイルスによって起きる流行性疾患である。
  •  ウイルスにはA・B・Cの3タイプがあり、流行するのはA・Bである。
  • 特にA香港型・Aソ連型・B型が強い病原性を持つ。
  • 渡り鳥がインフルエンザウイルスの運び屋ではないかとも言われている。
  • ウイルスは10年単位くらいで突然変異を起こしたりするため、新型に対する抗体がなく大流行となることがある。
  • わが国では毎年11月下旬から12月上旬に発生し、1〜3月ころに増加、4〜5月頃に減少となる場合が多い。
  • 予防のためにはワクチン、治療のためには治療薬がある。
  • 重症化した時、インフルエンザ脳炎・脳症などが考えられる。この場合の発熱に対して使用禁忌薬があるので注意が必要である。

 

症状

  • 急性伝染性疾患で、発熱、衰弱を伴い、通常予後は良い。
  • はじめに頭痛、筋肉痛、無力感がとくに強く現れる。
  • 発熱は38〜40℃と急激に上昇し、悪寒を伴い、2〜5日間で下熱する。
  • 頭痛、下肢などの筋肉痛、眼 外筋痛などと同時に鼻出血があれば直ちに受診が望ましい。
  • 胃腸症状(嘔気・嘔吐・下痢)は少ない。
  • インフルエンザウイルスの2次病原体としてインフルエンザ菌がある。
  • インフルエンザウイルスが原因でおこる疾患としてインフルエンザウイルス肺炎、インフルエンザ中耳炎、インフルエンザ脳炎などがある。
  • インフルエンザ菌が原因ではインフルエンザ気管支炎などがある。
  • 食事は脂肪を制限し、水分を多く与える。
  • ワクチンは集団生活者の罹患率減少に役立つ。

 

ワクチンを受ける前の注意(ここをクリック

 

ワクチン接種の問診票(ここをクリック

 

ワクチン

@製品1ml/1本 不活化ワクチン

A接種対象 全年齢

B接種間隔と回数*原則として4週間間隔で2回接種が望ましい。

  • 生ワクチン接種者は4週間以上の間隔を。
  • 不活化ワクチン接種者は1週間以上の間隔を。
  • 13歳未満は2回接種を。
  • 13歳以上は1回接種でも可。2回接種は希望で。
  • 高齢者は1回接種でも可。

C接種方法と用量*皮下注

  • 1歳未満  0.1ml
  • 15歳  0.2ml
  • 6〜12歳 0.3ml
  • 13歳以上 0.5ml

D接種の有効性*高齢者(65歳以上)で1回接種の場合

  • 発病阻止効果3855
  • インフルエンザ契機の死亡阻止効果82

*3週間間隔で2回接種した場合

  • 接種1ヶ月後では77%が有効予防水準に到達
  • 接種3ヶ月後では78.8%が有効予防水準
  • 接種5ヶ月後では50.8%が有効予防水準である

E接種後の副反応*重大なものとしてショック・アナフラキシー様症状(蕁麻疹・呼吸困難・血管浮腫)・急性散在性脳脊髄炎の報告がある。接種後の様子観察、とくに2週間以内での発熱・けいれん・運動障害などはすぐ受診すること。

F接種価格*保険は適応されず、おおむね30005000円??

 

治療薬

薬剤名(商品名) 用い方 服用期間 効果

塩酸アマンタジン(シンメトレル)

内用薬(細粒・錠剤)

1日1〜2回
長くて1週間

A型インフルエンザウイルス
リン酸オセルタミビル(タミフル) 内用薬(カプセル・ドライシロップ) 1日2回5日間 A型・B型インフルエンザウイルス

ザナミビル水和物(リレンザ)

吸入薬 1日2回5日間 A型・B型インフルエンザウイルス
  • いずれも予防薬ではない。

  • できればウイルス感染後48時間以内に使用開始。

  • インフルエンザウイルス確認後の使用が望ましい。

  • 決められた期間の服用が望ましい。

※副作用らしいことが見られた時は直ちに処方医へ連絡し、その後の対応の指示を受ける。

 

インフルエンザ抗原迅速検出用試薬

インフルエンザ抗原迅速検出用試薬

製品名   インフルエンザO1A  

ラピットビュー
インフルエンザA/B  

キャピリアFluA,FluB  
会社名 第一化学 住友 BD
検出ウイルス型 AB区別なし AB区別なし AB区別する  
所要時間 20分 10分 15分  
測定ステップ 4 1 1
保険 適応 適応 適応
  • 上記のほかにまだ数種類の検査薬がある。

  • この検査だけを考えた時、保険適応では1回約3000円くらい。このうちの自己負担分が個人での支払い金額となる。