薬包紙の折り方


粉薬は1回分ずつに分けて患者さんに渡されます。今は分包機で簡単にこの作業は行えます。しかしこの機械はほとんど電気で動いています。停電した時や非常時、またほんの1回分を至急で渡さねばならない時、やはり手作業で薬包紙を使って薬を包むことが便利です。薬包紙の折り方を試して、この機会に覚えましょう。   

 

@頂点Aと頂点Cは少しずらすように折る。


A〔線2〕を3等分するように左側から折り曲げる。この時頂点Dは〔線2〕よりやや上方になるようにする。

 


B右側から折り曲げ、頂点Bが〔線2〕よりやや上方にまたなるように、また〔線3〕からややはみ出すようにする。

 


C〔線3〕を3等分すると考え、〔線3〕の上方2/3を手前に折る。(〔線1〕と〔線4〕は平行)

 


D〔線4〕の中心を手前に折り曲げる。この時できた〔線5〕は〔線3〕に垂直となるようにする。

 


E〔線3〕から下にはみ出た部分はさらに内側に折りこむ。

 

   

さてきちんとできたでしょうか。

それでは折り方の細かい解説をいたしましょう。

  • はじめに三角形に折る時、上の図のように頂点を横にずらせるやり方と頂点を上下になるように折るやり方があるようです。

  • DとBの頂点がきちんとした対角線で結ばれません。これはこの頂点から薬を注ぎ出す時に片方に手を添えたようにして、あまり広がって粉が落ちないようにするためと思われます。

  • Dが線2よりやや上になるように折るのは、もし粉がDの手前まであったとしてもこぼれにくくするためと思われます。

  • Bが線2よりやや上になるようにするのもDの場合と同様です。またBが線3よりややはみ出しているのは、この作業をすれば折り曲げると、封をした状態になるからでしょう。

  • 線3が線2とすくなくとも平行にすることで中心部につつまれている粉が他の部分に少しはみ出していたとしてもこぼれることはないでしょう。

薬包紙雑学

大きさ: 特大(15cm×15cm)・大(12cm×12cm)・中(10.5cm×10.5cm)・小(9cm×9cm)があります。
紙質: パラフィン(ケーキなどの下に敷いてある紙。半透明でツルツルしている) → 油っぽいもの・潮解しやすいものなどを計りとる時


片ザラ(普通の紙に近い。片方がツルツル、反対がザラザラ) → 細粒のようになった粉はツルツルの方で、乳糖のようなくっつきやすい粉はザラザラの方で計ると、その後、別の容器に注ぐように出す時、紙に残らずきれいに移すことができます。

色: 白(普通つかうもの)
赤(外用薬)
青(頓服)

 遮光する薬の時は先ず白紙を置き、その上に赤紙を重ね、二枚重ねで折る。

 

でも最近はここまで区別して薬包紙で包む所はあまりないようです。

以上が私なりの考えでの解説でした。
試してみてください。

日本では昔から粉薬がとても多く使われてきました。
多くの先輩の創意工夫で使われてきた薬包紙を今後も大切に使っていきたいものです。